2013年12月13日(金) | 活動日誌
これからの地域防災~「地球の声に耳をすませて」
「これからの地域防災~『地球の声に耳をすませて』」と題する講演会を聞きに行きました。
北区では今年度、小中を通じた学校教育の一環として防災教育に力を入れています。
本日の講演会は、赤羽岩淵中学校サブファミリー(赤羽岩淵中学校と赤羽、岩淵、なでしこ、第四岩淵の各小学校)の主催で、保護者や地域住民向けに開かれた催しです。
議員団会議を中抜けして、いそいで会場となる赤羽小学校体育館へ向かうと、赤羽岩淵中の坂本校長のあいさつと講師の紹介がちょうど終わったところ。本日の講師である大木聖子慶應大准教授の講演には、なんとか間に合いました。
大木先生は、いま全国で引っ張りだこの若手地震学者。北区とのおつきあいは、2年前の「東日本大震災を踏まえた災害対策のあり方検討会」の検討委員を務めていただいた時からだと思いますが、私が大木先生のまとまった話を聞くのは、昨年末の防災特別委員会での勉強会以来となります。
人間と社会のあり方で災害は減らせる
地震学というと、小難しい話を連想しますが、大木先生の語り口はとてもわかりやすい。そして、実践的であることが人気の秘密なのでしょう。
例えば、冒頭は地震と災害の話です。
地震というのは自然現象ですが、どんなに巨大な地震が起きても、そこが無人島なら災害にはなりません。
災害というのは、人間や社会との関わりの中で、初めて問題となってくる現象なのです。
だから、人間が変わったり社会が強くなったりすることで、災害は減らすことができる―これが、まず最初の問題提起です。
大きいリスクは小さいリスクに
次に、地震発生のしくみを説明し、阪神・淡路大震災では88%が圧死(窒息死)だったことを紹介。
地震から身を守るには、落ちてこない、倒れてこない、移動してこないの「3ない」が大事だとのべました。
そして、いつどこで地震が起きても、より危険の小さいところに身を置くことの大切さを強調し、「危険の大小を判断し、大きい危険をより小さい危険にすることで被害を軽減できる」と訴えました。
防災管理とともに防災教育を
さらに大木先生は、地震に備えて備蓄を準備したり家具を固定するなどの対策、いわゆる防災管理はもちろん必要だが、それとともに「自らの命は自ら守る」ことを覚えさせる防災教育がとりわけ重要だと強調しました。
地震はいつ起きるかわからず、子どもたちが地震に遭遇した時に、そばに守ってくれる親や先生がいるとは限りません。
統計では、1日のうちで学校に先生がいる時間帯はわずか23%、つまり学校に先生がいない確立は77%だそうです。
このような説明で、地震が起きた時、どのように行動すれば助かるのかを常に子どもたちと一緒に考えておくことの大事さが、よくわかりました。
大学の講義と同じ、たっぷり90分間の講演。とてもためになりました。
大木先生のお話では、全国の自治体の中で最も防災教育に力を入れているのが北区だとのこと。この言葉にも励まされ、今日勉強したことをさらに地域の中に生かしてゆきたいと思いました。