活動日誌

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区内の指定管理保育園に労基署の是正勧告

区議会第3回定例会の2日目は、本会議で個人質問がおこなわれました。

日本共産党北区議員団からは、山崎たい子区議と私が質問に立ちましたが、私は6人中最後の質問者でした。

質問の全文と区の答弁は、こちらに掲載しましたので、ご参照下さい。

第3回定例会個人質問

個人質問の時間は20分以内で、1回目の質問の後、2回まで再質問ができます。

再質問については正確な議事録が出るまで少し時間がかかりますが、ここでは、本日の再質問の概要をお伝えすることにします。

指定管理者制度に対する日本共産党北区議員団の立場

昨日の福島宏紀議員の代表質問に対する答弁で、中澤子ども家庭部長は、区立の指定管理保育園に労基署の指導が入ったことを明らかにしました。

再質問は、この問題にしぼっておこないました。

まず、指定管理者制度に対するわが会派の立場を、あらためて次のように表明しました。

  1. 指定管理者制度そのものへの批判はあるが、指定管理者に選対された法人がすべてダメだとか、ただちに直営に戻せと主張しているわけではない。むしろその逆で、コスト削減、サービス向上を求められる中で、区の保育水準を維持、向上させてがんばっている法人には感謝の気持ちをもっている。
  2. 指定管理者の選定には是々非々で臨んでいる。指定議決に際しては、事前に必ず法人を直接訪問し、自分たちの目で指定管理者にふさわしいかを判断している。
  3. 選定された指定管理者に問題が発覚すれば、それを是正し、区立保育園にふさわしい園運営ができるようにするために全力をあげる。

その上で、区立の指定管理園への労基署の指導が入ったという事実について、区議会の所管委員会に報告すべきだと再質問しました。

これに対し中澤部長は、労基署への立ち入りが任意の調査であったのか職員からの告発であったのか不明なので、今回の指導がどれくらい重いものなのかを労基署に問い合わせるつもりであること、法人名の公表はペナルティともなるので、今の時点では委員会への報告は考えていないと答弁しました。

労基署の指導は「軽い」ではすまされない

「労基署の指導といっても軽微なもの」「ペナルティを課すほどにひどいことをしたのではない」というニュアンスを言外に匂わせている中澤部長の答弁に対し、私は、労基署の指導が入ったという事実は重いものだということを、次のように訴えました。

  1. 2010年12月28日の総務省通知「指定管理者制度の運用について」では、自治体が指定管理者に法令を遵守させることを明記している。当該法人は、指定議決の際にも法令遵守を約束している。今回の労基署の指導という事態は、総務省通知に照らして問題ではないか。
  2. 労基署の指導には、法令違反が疑わしい場合の「指導票」と、明らかに法令違反にあたる場合の「是正勧告」がある。割増賃金が支払われていなければ、労基法第37条違反の是正勧告が出されるはずだ。今回の件で、指導を受けたというのは、指導票が切られたのか、是正勧告を受けたのかを明らかにすべき。
  3. 今回指摘された諸点が、当事者がうっかりして侵したミスなのか、それとも労働者による労基署へのやむにやまれぬ訴えだったかは、その意味において大きな違いがある。仮に労働者からの告発だとすれば、事は重大だ。割増賃金が3ヵ月にわたって支払われず、法人にお願いしても聞き入れてもらえなかった職員の気持ちを考えると、とても「すでに解決済み」では済まされない。

指定管理園への労基署立ち入りについて所管委員会に報告を

以上をふまえ、あらためてこの問題は、指定議決で責任を負っている議会の所管委員会に報告すべきではないかと再質問しました。

依田政策経営部長は、総務省通知の問題に対し、北区では指定管理者選定の際やモニタリングを通じて、法令遵守を徹底している、と答えました。

中澤部長は、今回の指導では、指導票と是正勧告の両方が出されている事実を明らかにするとともに、現時点では委員会への報告を考えていないとの立場を再度表明しました。

この問題の決着は、所管の健康福祉委員会、そして来週から7日間の日程で開かれる決算特別委員会に持ち越されることになりそうです。