活動日誌

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橋下「維新の会」は日本をどこへ導くか

北とぴあで北区革新懇の学習懇談会が開かれ、参加しました。

今回のテーマは「橋下徹(大阪維新の会)人気の背景と維新八策の問題点を考える」で、しんぶん赤旗記者の中祖寅一氏が講演しました。

冒頭、橋下氏と維新の会について、「マスメディアによる虚像の部分が多くイメージが先行しているが、公にされた主張の本質部分を抑えることが大事」とのべた中祖氏は、維新八策が出した「政治塾レジュメ」に基づいて、その危険な中身を紹介しました。

極端な新自由主義

特徴の第1は、小泉「構造改革」をほうふつとさせる極端な新自由主義路線です。

「小さな政府」をかかげ、道州制やTPPの推進など、財界を後ろ盾にした新自由主義政策が目白押し。橋下氏のメッセージは「競争に勝ち抜き、自らリンゴをつかめ」ということです。

改憲志向と強権・恐怖政治

第2は、平和と民主主義への挑戦です。

9条の改憲を公然と主張するとともに、「公務員を身分から職業へ」「公務員労働組合の政治活動の規制」のスローガンを掲げて市職員の思想調査を強行するなど、危険な道に踏み込んでいます。

「二大政党づくり」のゆきづまりを反動的に打開

第3に、政治の反動性です。

橋下氏は「決定できる民主主義」を強調しますが、これまでの決定できない民主主義=自公政権と民主党政権によるゆきづまった二大政党政治の問題点を克服しようと考えるのではなく、さらに反動的な「構造改革」路線を再起動させようとねらっています。

憲法改正要件(憲法96条)の緩和や二院制の見直し、首相公選制は、民意を切り捨てながら、独裁体制に向かおうとする政策です。

橋下「維新の会」とどうたたかうか

これらの特徴をふまえた上で中祖氏は、「維新八策」に掲げられた危険な方向が、すでに4年間の大阪府政の中で実際に強行されてきたことを告発。市民サービスをのきなみカットするなど、くらし・福祉に向けられた総攻撃の内容や、教育の統制化・競争主義、府民財産の売り飛ばしなどの実態を詳しく紹介しました。

これだけ危険な本質を持つ橋下氏と維新の会ですが、若者など多くの国民がその主張に惹きつけられる背景には、二大政党への幻滅と極限に達している政治不信があると中祖氏は強調しました。

また、この間の政治的経験の中で、「構造改革」路線には一定の批判的見方があるものの、日本国民全体としてはこれを乗り越えるに至っていない現実があるのではないかと問題提起しました。

一方で、自民党幹部など保守層の内部からも維新の会の露骨な反動路線に対して危惧の声があがっていることを紹介し、「八策」自体が大きな矛盾をつくりだしていることを指摘。この人気がそのまま続くわけではなく、たたかい次第で虚構は必ず打ち破れると訴え、国民の切実な要求をかかげた運動をさまざまな分野で大きく広げてゆこうとよびかけました。

講演の後、「刺青問題をどうみるか」「橋下氏は原発に反対しているが、この点で共同できないか」「若者ほど同調するのはどうしてか」など会場から質問が多数寄せられ、中祖氏がていねいに答えました。

いまこそ政治の“本質論”が大事

学習会に参加し、とても刺激を受けました。絶大な人気があるように見える橋下氏と維新の会ですが、一つひとつの主張を真面目に検討してゆけば、決して民衆の支持を得られるものでないことは明らかです。

弁舌豊かなその「話術」に足をすくわれることのないように気を配りながら、あくまでもゆきづまった二大政党政治を打開する展望――財界・アメリカいいなりの政治を大もとから転換する党の主張を正面から訴え続けることが大切だと感じました。

いまこそ政治の本質論が問われている時です。よく学び、思い切って行動を広げてゆきたいと思います。