活動日誌

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ぶらりと歩く中央区・築地

毎回好評の日本共産党志茂・赤羽後援会下町散歩企画。浅草、谷中に続く第3弾は中央区・築地です。

市場の豊洲移転がとりざたされている築地ですが、もともとは外国人居留地として栄えた歴史の街。今回も下町の新たな発見に期待を寄せて、19人もの参加者が集まりました。

東京メトロの志茂駅で集合した一行は有楽町線の新富町で下車。まずはスタート地点の中央区役所前で記念撮影です。

今回も地元のボランティアガイドさんに案内をお願いしました。

天気は上々、絶好のお散歩日和です。2組に分かれ、それぞれに2名ずつのガイドさんがついて、さあ出発。

最初に着いたのは靴業発祥の地。1870年(明治3年)に、日本で初めて靴工場ができたのがこの場所とのこと。製靴産業の原点として、記念碑が建てられています。

それにしても、築地界隈には「○○発祥の地」の多いこと。江戸歌舞伎に蘭学事始、活字、講談、運動会などがすべてここから始まったとか。サッカー発祥の地でもあり、「社会を明るくする運動」発祥の地なんていうのもあります。

次に案内されたのは、ガス街頭柱。普通の街路に立っている柱で見過ごしてしまいそうですが、明治期に使われていたガス灯だそうです。灯柱は鋳鉄製で、頂上のランプはのちに補修されたものだとか。

次は、イギリスの宣教師兼医師であるヘンリー・フォールズ(1843~1930)住居跡。聞いたことのない名前でしたが、何を隠そう科学的な指紋研究を初めておこない、実用化への道を開いた人物。なので、ここは「指紋研究発祥の地」」だそうです。

緑の木々に囲まれた大通りを進むと、巨大なビルが目に飛び込んできました。このあたりが噂の聖路加ガーデンか。

オフィス、店舗、レストランが詰め込まれた聖路加タワー、ホテルとマンションが一体となった聖路加レジデンスという2つの超高層ビルディングが、空中を渡すブリッジでつながれています。最上階の47階は展望レストランになっているそうです。

レジデンスはシニア向け賃貸マンションとのことですが、1人の入居金総額(18年分の契約料前払い)が1億8195万円~5億3695万円って、一体どんな人が入るというのか!?

大通りをはさんでこのタワーの向かい側が聖路加国際病院となるのですが、「聖路加」というのはいかにも当て字っぽい。道路には「聖ルカ通り」の標識が立っていましたが、調べてみれば聖ルカというのは新約聖書の福音書の一つである「ルカによる福音書」の著者とされる聖人ルカのことだそうです。

聖ルカが聖路加となったわけですが、正式な発音は「せいるか」であって、「せいろか」ではないとのこと。初めて知りました。

さて次は、またまた発祥の地。ここは福沢諭吉が屋敷内に慶応義塾大学の前身、蘭学塾を開いた土地で「慶応義塾発祥の地」という地碑が立っていました。

緑の芝生が映える公園の中に入ってゆくと、そこにはトイスラー記念館がありました。トイスラー医師は聖路加病院の創設者ですが、もともと1933年(昭和8年)に建てられ、病院の宿舎・事務所として使用されていた建物を、現在は記念館にしているとのこと。

ただし内部は非公開となっています。

トイスラー記念館の脇には、アメリカ公使館跡の記念碑が建ってていました。明治維新後に開かれた外国人居留地には、アメリカ公使館(現在の大使館)も置かれていたわけですが、石碑には当時のアメリカ合衆国を象徴するデザインが彫られています。

よく見ると、アメリカ国旗はストライプも星も13です。この頃はまだ、アメリカの州は独立13州のみだったことがわかります。

こちらは同じ公園内にある聖路加国際病院旧館。旧館といえども診療もおこなっていれば入院患者もいます。

そして何と、2階フロアにはチャペルがありました。そう、正面にはキリスト像が置かれ、後方上部には巨大なパイプオルガン、窓はステンドグラスというあの協会そのものです。

キリスト教の精神によってたつ病院ならではの配慮ということですが、入院患者も礼拝ができるようにチャペルを病院内に設けたそうです。

聖路加看護大学の脇をぬけ、表通りに出ると、今度は芥川龍之介生誕の地という標識が。1892年(明治25年)、このあたりで芥川龍之介が、乳牛牧場「耕牧舎」を営む新原敬三の長男として生まれたそうです。

その隣には、忠臣蔵でも有名な浅野内匠頭の屋敷跡。播磨国(現座の兵庫県)赤穂藩浅野家の上屋敷があった場所です。

さて、1時間以上も歩きっぱなしでそろそろ疲れてきた頃です。あんなに晴れ渡っていた空も急に曇りだし、雲行きもだんだんあやしくなってきました。

東京オリンピック前には川が流れていたという築地川公園を横切り、次は築地波除神社稲荷、そして築地市場へと最後の目的地をめざします。

ところが、ここでタイムアップ。お散歩ツアーは続きますが、私は午後の予定が入っているためここで離脱しなければいけない時間になってしまいました。

一行に別れを告げ、みなさんが向かう築地本願寺をカメラに納めて地下鉄の駅へと急ぎました。

ちょうどその頃、大粒の雨がポツリポツリ。やがてザーっという音とともに雨が降り出し、雷も鳴りました。ツアーの行方を気にしつつ王子に着いて電車を降りると、いつの間にかカラッと晴れた天気に戻っていて安心しました。

お昼は築地市場でおいしいお寿司でもと思っていたので、それが叶わなかったことだけが心残りでした。

下町散歩第4弾は、秋の後楽園とのこと。次回もぜひ参加したいと考えています。