2013年9月11日(水) | 議会活動
十条駅西口再開発事業の説明会
本日、地域開発特別委員会が開かれ、十条駅西口地区市街地再開発事業の事業計画案についての説明会がおこなわれました。
最初に、再開発準備組合から事業の概要について説明がありました。これについては、パンフレットをご参照下さい。
続いて、権利変換の説明、本組合設立にむけた動き、今後の予定などについて説明がありました。
現在、焦点となっているのは、再開発地域(敷地面積約7100㎡)内の地権者の合意を得て、準備組合から本組合への移行が成功するかどうかです。
本組合設立のためには、底地権者、借地権者のそれぞれ3分の2の合意が必要です。
そのために、大手ゼネコンが参加組合員として加わる準備組合の事務局は、一人ひとりの地権者に対して権利変換、すなわち再開発後の土地、建物や生活がどのようになるかを説明し、本組合の承認を説得しています。
説明会で例示としてあげられたのが、上記のように25坪の土地に45坪の建物を所有している地権者の場合です。
再開発後は、37階の再開発ビルの中の住宅棟に24坪の住宅を確保した上で、残りの権利を変換し商業・サービス棟内に店舗を確保できるというものです。
地権者の権利は約束通りに守られるか
こうした説明を受けた後、説明会そのものへの質疑と、委員会としての説明会まとめで、次のような議論が交わされました。
日本共産党の八百川孝委員は、146m・37階という超高層ビル計画が、地震対策や十条らしいまちづくりの観点から見て問題があるのではないかと指摘した上で、「権利変換によって地権者の権利がきちんと保障されるのかどうかがポイントだ」とのべました。
八百川委員は、権利変換の具体的な条件提示は本組合設立後になるという再開発の仕組み自体に問題があることを指摘し、現在示されている条件が後になって変更され「話が違う」などのトラブルを生まないようにすることが大事だとのべました。
また、最終的には約500床の保留床(分譲マンション)の処分で建設費を埋め合わせることになっていますが、この販売にあたるディベロッパーやゼネコンが利益を独り占めするようなことはないのかと質しました。
準備組合側は「補助金も入る事業なので、公正公平を期したい。適正利益を逸脱した行為は理解されない。保留床売却にあたっては参加組合員の企業がこれを担当し、組合のみなさんにはリスクが出ないようにしたい」などと答えました。
弱者を十条の街から追い出すことにはならないか
続いて、私は、今回の再開発によって狭小な土地・建物の地権者、低所得の高齢者、若者などを街から追い出すことにならないかという角度から質疑しました。
準備組合は権利変換によって再開発後の地権者の生活を保障するとしていますが、現在保有する土地や建物だけでは権利床を確保できない地権者も出てきます。また、借家人は無条件に立ち退きを迫られるようになります。
この計画を進めてゆけば、弱者は再開発地域から出ていかなくてはならなくなるのでは、と質問しました。
十条まちづくり担当課長は「結果的にはそういう人も出てくるかもしれないが、なるべく十条地域にとどまってもらえるよう努力したい」などとのべるにとどまりました。
今後、今年度内に本組合設立、来年度に権利変換計画の認可、2015年度から着工という計画がしめされていますが、さまざまな問題をかかえた再開発計画が、このまま順風満帆に進むかどうかは疑問が残るところです。
地域開発特別委員会ではまた、西ヶ原4丁目防災広場、志茂1・2丁目への「新たな防火規制」の区域指定、不燃化特区・十条駅西地区の助成支援制度(案)について、区から報告がありました。