活動日誌

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はこね荘売却、国保料大幅値上げ – 区民生活委員会

本日、区民生活委員会が開かれました。

補正3予算を含む7議案について所管事務調査をおこなったほか、15項目の事項について報告を受けました。

はこね荘を廃止・売却

第6号議案「東京都北区立区民保養所条例を廃止する条例」は、今年度いっぱいで「休館」とされていた区民保養所のはこね荘を廃止し、売却する条例。

私はまず、昨年6月に休館を打ち出した時でさえ、電話で80件を超える問い合わせがあり、廃止・売却となればさらに区民の「残念だ」という声が大きくなることは必至だと指摘しました。

その上で、区が「民間でも低廉な宿泊サービスが出ているので、事業の必要性は低下している」「利用者数が減少し、このまま続けても改善は見込めない」などと理由をのべていることに対し、「利用者が減ったといっても年間で1万4000人が利用している。休館が打ち出された後は予約も増え、今年度は1万7000人以上の利用が見込まれている。潜在的な需要はあり、経営の改善にとりくむことこそ必要だ。多くの区民が利用し存続を望む保養所のサービスを、こうした形で打ち切ることは認められない」と主張しました。

また、年度当初に財調基金がゼロになるなどと「財政危機」を演出しながら、年度末には過去最高の125億円も積み立てる恣意的な財政運営を批判し、「はこね荘の廃止は、財政が大変だからと区民にがまんを強い、サービス切り捨て・区民負担増を迫る誤ったやり方の典型。実際には財政は健全であり、はこね荘は存続できる」と強調しました。

あくまでも指定管理導入にこだわる – 北とぴあ条例の改正

第11号議案「東京都北区北とぴあ条例の一部を改正する条例」は、北とぴあへの指定管理者制度導入に際し、指定管理者不選定という結果に終わったことから、制度導入を前提にいったん改正した北とぴあ条例を、現行の業務委託形式に戻す条例改正です。

私は、この条例案の提出の理由が「指定管理者導入の延期に伴い規定を整備し、及び使用料の整備を行うため、この条例案を提出いたします」とされていることに着目し、質疑をおこないました。

北区では、すでに120を超える施設で指定管理者制度を導入していますが、区の施設を民間事業者に任せることで弊害も多く生まれています。特に、ゆきすぎたコスト削減は、人件費の低下を招くという問題が浮き彫りになっています。

そもそも指定管理者の選定は、その目的にそってより効果的な運営主体が存在する場合におこなうものであり、選定委員会において「不選定」とされた場合は、直営もしくは業務委託での運営とすることが「北区指定管理者制度ガイドライン」でも明らかにされています。

ところが、今回の議案は2年間は業務委託に戻すものの、その後はまた指定管理者の選定をおこなうことが前提となっています。

私は、2011年に総務省通知が出され、当時の片山総務大臣が指定管理者制度をコストカットのツールとして利用してはいけない、と強調していたことも引き合いに出しながら、「いったん不選定となったのに、あくまでも指定管理者導入ありきで再選定を前提にすることは、制度の原則からも外れている。無理に経費を切り詰めようとすれば、新たな官製ワーキングプアを生み出しかねない」と指摘しました。

低中所得者層を直撃する国保料の大幅値上げ

第46号議案「東京都北区国民健康保険条例の一部を改正する条例」は、4月からの国保料を大幅に値上げする条例です。

15日の特別区長会で確認された新年度の23区統一保険料について、都政新報は「1人当たり保険料は3188円増の9万8465円と大幅アップ」とし「後期高齢者医療制度導入後、最も増加率が低かった今年度の反動もあり、反発が予想される」と報じています。

私は、国保料がすでに「払いたくても払えない」水準になっている時に、これ以上の負担を強いる保険料の改定は論外だと強調した上で、今回の改定案には所得の低い人ほど負担が重くなる2つの問題点があると指摘しました。

その1つは、2年前の旧ただし書き方式への変更によってはね上がる保険料負担を抑えるため導入された経過措置を打ち切り、新たに非課税世帯のみを対象にした経過措置を講ずるとしたが、これによって軽減措置自体が軽減されてしまったこと。

2つは、所得割と均等割の比率を59:41から58:42とし、所得にかかわらず一律に賦課される割合が高くなることで低中所得者層への負担がさらに重くなることです。

こうした仕掛けで、低中所得者層は年1~3万円台の値上げになる世帯が出てくる一方、年収約500万円以上の高所得者層は逆に負担減になるという逆転現象が起きてしまいます。

こんな国保料の改定について、花川区長は特別区長会で反対しなかったのかと追及しましたが、担当課長は「各区で10回以上もすり合わせた結果、了とした保険料設定であり、区長会では特に意見はのべなかった」などと答えました。

私は、国民皆保険制度そのものをも揺るがす値上げ案には反対の立場を改めて表明するとともに、財政力のある東京都にこそ負担軽減のための財源を拠出させることを区に求めました。

区民税、各種保険料など収納体制のさらなる強化

報告事項では、この間の「ワンストップ納付相談」の実施状況が報告されるとともに、新年度から区民税、各種保険料などの収納体制をさらに強化する方向がしめされました。

北区では2010年9月から「北区納付案内センター」を開設し、区民税、国保料、介護保険料、保育料などの滞納者に対し、納付の催告をおこなってきました。

この中で、支払いに応じない区民に対する差し押さえなどの措置も増加しています。

新年度には、新たに学童保育育成料と奨学金も電話での督促の対象とするほか、累積滞納についても催告をおこなうとしています。

さらに、訪問業務では4名体制(区民税2名、国保料2名)を9名体制(区民税2名、国保料・後期高齢保険料7名)に増やし、納付の申し出があれば、その場で保険料を徴収することも可能にするとしています。

私は、払える人への督促は当然だが、「払いたくても払えない」人については、その事情をよく聞き、ていねいに対応すべきだと指摘しました。

緑の創出に向けた緑化基準の改正

また、敷地面積300㎡以上の土地について定められた緑化基準を変更し、緑を創出する「東京都北区みどりの条例施行規則」改正について報告がありました。

新しく施設などをつくる場合、近隣商業地域では「敷地面積の4%以上(防火地域は2%以上)」となっている緑化面積を「敷地面積の5%以上(同3%以上)」に引き上げ、その他の用途地域では「8%以上」を「10%以上」に引き上げるとしています。

私は、緑化基準を引き上げることは重要だが、違反しても罰則がなく、提出された緑化計画が守られないままになっている施設も少なくないことから、世田谷区などが導入している都市緑地法適用など強制力をもって緑化をすすめるしくみも検討することを提案しました。