2014年4月18日(金) | 活動日誌
北区日韓親善協会第3回訪韓ツアー記(2日目)
2日目の朝、目が覚めるとホテルの外は小雨がパラついていました。
この日は釜山から安東まで、バスで3時間かけての移動となるため、午前8時30分にホテルのロビー集合。7時半すぎにバイキングの朝食を済ませ、出発の準備をしました。
外に出てみると、やはりどんよりした天気。やはり予報通りかと、ちょっと意気消沈しました。
バスに乗り込み出発すると、これでしばし釜山とはお別れです。高速道路に入り一路、安東をめざします。
途中、トイレ休憩で立ち寄ったのは、昨年も訪れたトンミョン(??)のドライブイン。場所としては、ちょうど釜山と安東の中間あたりでしょうか。このあたりまで来ると、すでに雨はあがっていました。
いよいよ安東へ
さらにバスで走ること約1時間、いよいよ安東市に入りました。
最初に向かうのは、安東で最も有名な河回村(ハフェマウル ????)です。S字型の川に囲まれた500年の歴史を持つ民俗村で、1999年には英国エリザベス女王が訪れ、2010年にはユネスコの世界文化遺産に登録された村です。
村に入る手前の駐車場でバスを降り、案内所ゲートから村の入り口まではシャトルバスで往復します。ちょうど日曜日ということもあり、通勤バスなみの混雑でした。
バスを下りると、すっかり晴れ渡った空。念のためと持参した折りたたみ傘も、まったく不要になってしまいました。
過去2回の訪問でも来ている場所なので、1時間の自由時間をとり、それぞれ好きなところを散策することになりました。
私はまず、村の中心を通るメインストリートをまっすぐ突き抜け、村を囲む川に沿った道を歩こうと考えました。
途中、見学コースにある古い家屋の庭では村人たちによるデモンストレーションがおこなわれ、さまざまな国から訪れた観光客の目を惹きつけていました。
川沿いの道まで来ると、きれいな桜並木が目に飛び込んできました。昨年はこの道を右回りに進みましたが、今回は左に折れて歩いてみることにします。
村の中心からどんどん離れていくような形で、のどかな田園風景が続きます。
ふと前を見ると、尖塔が見えました。近づいてみると、村で唯一の教会、河回教会でした。
この時点で時間はちょうど半分。残り30分で、川沿いの道を逆方向へ戻ることにしました。
民俗遊戯場や絶景の岩山、芙蓉台(プヨンデ ???)は昨年もじっくり見学したところ。早足で駆け抜けて、なんとか時間内に集合場所までたどり着くことができました。
すでに時刻は午後1時を回っており、腹も減ってきました。昼食は、案内所からすぐの食堂で、安東名物サバ定食とのこと。大きな焼サバを丸一匹ずつ、付け合わせのキムチやおひたしなども、美味しくいただきました。
安東の魅力を再発見
もう3回目の訪問となる安東ですが、今回はこれまでにない魅力も実感することができました。
まずは、昼食の直後、ガイドの李さんに「早く早く、こっちに来て」と案内された先では、仮面劇がおこなわれていました。
この劇は「河回別神グッ仮面劇」(ハフェベッシングッタルノリ ????????)とよばれ、韓国で国宝に指定されている催し物です。
村の安寧と豊作を祈願して約800年前からおこなわれてきた伝統芸能で、現在は安東国際仮面舞フェスティバルの期間中や、ここ河回村公演場で定期的に上演されているとのことでした。
残念ながら韓国語はわかりませんでしたが、仮面をつけた人が暴れる馬を退治する話のようで、会場からはコミカルな演技や踊りに笑い声や拍手が絶えませんでした。
続いて、バスに乗って河回村の裏手へぐるっと回り、くねった坂道を登ったところにある屏山書院(ピョンサンソウォン ????)を訪れました。
この書院は、朝鮮時代の代表的な儒教的建築物で、高名な儒学者である柳成龍(リュ・ソンリョン ???)が弟子たちに教えを諭した場所です。柳成龍の死後、教え子や近隣の儒者たちが故人の学徳を偲び、位牌を祀って現在の形にしたそうです。
正門をくぐると、晩対楼という建物が見えてきました。階段の上は広々とした広間になっていて、そこから河回村の山々や周りの風景を眺めることができます。
正面には「屏山書院」の表札が掲げられた立教堂が建っています。ここは、先生が教え子たちに勉強を教えていた教室だそうです。
この裏側にある尊徳祀に、柳成龍が祀られています。
屏山書院を後にして、次はバスで安東の中心街に向かいました。
市街地には庶民生活の文化を受け継ぐ伝統市場が3つあります。そのうち、昨年のツアーでも訪れた中央新市場を、今年も歩いて見学しました。
300mほどのアーケード街に、野菜、魚介類、果物、靴下などの日用品がずらりと並ぶ光景に圧倒されますが、あるお店の前には朴槿惠大統領も来店して試食したというポスターが掲げられていました。
郷土料理で夕食
この日宿泊する安東リチェルホテルの周りにはお店が何もないということで、市場を抜けた先の「新市場マート」というスーパーで買い出しをした後、バスでホテルへ向かいました。
リチェルホテルは最近オープンしたばかりのリゾートホテルで、安東では最大級の宿泊施設です。
このあたりは山を切り開いてリゾート開発がおこなわれている地域で、儒教ランド、安東タワー、テーマガーデン、ゴルフ場などが整備されつつあるとのことでした。
さっそくチェックインして荷物を置き、すぐにフロントに集合して夕食会場に向かうことになりました。
この日の夕食は、安東の郷土料理チムタクです。旧市場に「チムタク横丁」とよばれる商店街があり、チムタク専門店が20軒ほど並んでいます。
夕食会場前では、次の日の安東市役所訪問に同行していただく順天学園の渡辺理事長、地元の有力者で安東市長とも交友のあるキムさん、通訳を買って出ていただいた安東在住アーティストのファンさんとも合流し、あいさつしました。
さて、チムタクとはどんな料理でしょうか。
答えはご覧の通り、ぶつ切りの鶏肉、ジャガイモ、春雨などを甘辛のタレと唐辛子で煮込んだ料理です。
何ともダイナミックな料理ですが、この大皿が4つもテーブルに並べられました。これを11人で分けるわけですから、ほぼ2人で1皿となります。
最初は美味しくいただいていたのですが、いくら食べても食べても量が減りません。ふと隣のテーブルを見ると、1皿を5人くらいの若者がいっしょに食べていました。
結局、注文する量が多すぎたということで、おいしいチムタクを残してしまうという結果になりました。持って帰りたいくらいでしたが、残念。
満腹になって外へ出てみると、アーケードの旧市場は活気にあふれ、その周辺には携帯電話や時計の専門店、ファッション関連のお店、ファストフード店などがずらりと並び、若者たちのショッピングをする姿が見られました。
「安東は田舎町」との先入観がありましたが、この市街地を見れば、立派な都会といっても過言ではありません。ファンさんに尋ねると「ここは安東の明洞(ミョンドン)よ」と教えてくれました。
街の中でみかけた彫刻。とてもおしゃれな感じです。
こうした彫刻があちこちに置かれているのを見て、思わず赤羽のララガーデンを思い起こしてしまいました。
これで2日目は終わり。ホテルに戻り、いよいよ次の日は安東市役所への表敬訪問です。