2013年3月31日(日) | 活動日誌
いじめで遊ぶ子どもたち
先月の「子どもの目線で子どもの放課後を考えるつどい」に続き、子どもについて考える学習交流会第2弾「いじめで遊ぶ子どもたち」(日本共産党北区議員団主催)を、北とぴあ・スカイホールで開催しました。
今回は、深刻な問題となっているいじめや暴力、体罰などをテーマに、子どもたちの現状を正面から見つめようという企画です。
最初に、1980年代から系統的にいじめ問題にとりくんでいる大東文化大学の村山士郎教授が基調講演をおこないました。
村山先生は、大津市で起きた自殺事件などに言及し「最近の傾向は、いじめが軽いノリでおこなわれており、加害者に悪いことをしているという意識がないこと」だとのべました。
その上で、いじめ問題の社会的背景には、
- 学力競争
- 「良い子」でいることを強要するプレッシャー
- 豊かな消費社会
- 子どもたちの疲弊
- 格差社会
があると指摘。どの学校現場でも、いじめが「ある」ことを前提に対策を講じることが必要だと強調しました。
さらに、安倍内閣が、いじめ問題の解決のために道徳を「教科」にしようとしていることについて「道徳の教科書をつくり、それを評価基準にして子どもたちに点数をつけるなど、問題の解決に逆行だ」と、厳しく指摘しました。
次に、区議会文教委員の山崎たい子区議が、北区におけるいじめ問題についての対応を報告しました。
北区では新年度、「いじめゼロ」にむけたとりくみを強化するとして、全児童生徒を対象にしたQ-Uテストの実施、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの増員などの施策を打ち出しています。
続いて、参加者を交えての交流会となりました。
子どもを持つ母親、教育問題に関心をもつ学生、学校の元教員の方などから活発な意見や質問が寄せられ、村山先生から一つひとつに丁寧なコメントをいただきました。
私自身は、学校現場でのいじめが想像を超えて「深化」していること、貧困と格差の広がりや異常な競争主義など現代日本の社会のありようが子どもたちの心に大きな影響を与えていることを、あらためて学ぶことができました。
最後に、そねはじめ前都議が講演と交流への感想をのべながら、閉会のあいさつをおこないました。
学生時代から人形劇サークルや児童文学研究会を通じて子どもとの関わりを大切にしてきた、そねさんだけに、今のリアルな子どもたちの現状に胸を痛めていた様子でした。
年度末の忙しい時期に、たくさんのご参加をいただいたことに感謝し、この場を借りてお礼を申し上げます。