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さくら色 オカンの嫁入り

城北演劇を観る会の観劇会、今回は、シーエーティープロデュース公演「さくら色 オカンの嫁入り」です。

男性からの暴行事件がきっかけで1年間も家に引きこもっている主人公・月子を中心に、オカンの陽子、その婚約者・研二、飼い犬のハチ、隣人のサク婆などが入り乱れて物語が展開してゆく家族劇です。

チラシ表

冒頭のシーンから劇中何度もリフレインされる月子の「事件」の場面。見た目は元気な彼女ですが、心に深い傷を負っていることが明らかにされます。

この「重圧感」から、どう抜け出してゆくのかが前半の見どころです。

そのきっかけとなるのが、40歳を過ぎたオカンが酔った勢いで連れてきた「捨て男」の研二。ちゃらんぽらんなように見えて、実は月子と同じ、心に傷を持つワケアリの男性でした。

最初はあっけにとられ、怒り、反発していた月子ですが、研二の過去やオカンと付き合うようになった経緯を知る中で、次第に心を開いてゆくようになります。

そして、ついにオカンの「嫁入り」へ。

チラシ裏

これで終われば、ありきたりの芝居ですが、後半はひとひねりが効いています。

オカンの体は病魔に蝕まれており、余命1年との宣告。実は、研二もそのことに薄々気づいていながら、「あなたの人生を支えたい」と求婚していたのでした。

「重い」と「軽い」を繰り返しながら、人生とは何か、家族とは何か、それを支える人とは何かを考えさせられる作品でしたが、病身のオカンを囲んで花見をするラストシーンが、さわやかな印象を残しました。

月子を演じた荘田由紀、オカンの香寿たつきはともに好演。脇を固めるサク婆の正司花江、研二の叔父・島田順司が舞台を引き締めました。

家族の一員である犬のハチを役者が演じ、「犬の視点」での演出効果を狙いましたが、最後まで違和感がぬぐえませんでした。

今回の観劇会は、わが議員団4人が所属する「福の会」も担当サークルでしたので、終演後は夜10時まで搬出作業を手伝いました。