2013年2月4日(月) | 議会活動
4年間の議会改革の成果
本日、今年度第7回目の議会改革検討会が開かれ、政務調査費(これからの議員処遇(身分保障等)のあり方を含め)について議論しました。
政務活動費の額は据え置きに
北区では3月1日から、地方自治法の改正にともなって、これまでの政務調査費が「政務活動費」となり、規則によって定められていた使途基準の範囲は、条例で規定されることになります。
新しくなる政務活動費の内容については、すでに別立てで設置されている「政務活動費のあり方検討会」で検討されているため、今回の議会改革検討会では今後の政務活動費の交付額について議論することになりました。
議会活動を進める上で、調査研究や区民への議会報告など、会派(議員)としてとりくむ活動の経費はそれなりの額になるので、政調費の支給は大変貴重なものです。
同時に、北区では政調費の額が議員1人あたり月額15万円と結構な額になっています。これが、議員報酬、費用弁償と別に支給されるのです。
これらをふまえて、私は「区民から見て、政調費が『特権』と映ったり、使い道が不透明と感じられることがあってはならない。政調費から政活費に変わることで、額を引き上げたりせず、現行の水準を維持するとともに、その使途についてはさらに透明性を高めるような改善を重ねてゆくことが望ましい」と発言しました。
出席した全会派(みんなの党は欠席)からも、政活費の額は据えおくべきだと発言がありました。
また、本日の会議では、議会基本条例についての勉強会を、できれば複数回、4月あたりをメドに開催したい旨、座長から報告がありました。
4年間にわたる議会改革の努力
北区では、2009年度から2012年度まで4年間にわたり、議会改革検討会が設置されてきました。
昨今は、「議会自らが身を切る改革を」などといって、いたずらに議員定数を削減することが「改革」だというような議論も跋扈(ばっこ)していますが、改革しなければならない議会活動の問題点は、他にたくさん存在しています。
私たち日本共産党北区議員団も、積極的な提案で重要な改革を実現してきました。
もちろん、会派ごとに意見の違いもあるので、合意したところから改革が進むわけですが、今回はこの4年間の議会改革検討会における主な成果を紹介しておきたいと思います。
費用弁償を減額
費用弁償は、議員が議会に出席するたびに旅費・日当として支給される費用です。
これまで北区では、本会議や委員会など、長い短いにかかわらず、1回の会議に出席するごとに5000円の費用弁償が支払われてきました。
私たちは、区民から「第2の報酬」「議員特権」という率直な批判もある中、議会改革検討会で費用弁償の廃止を求めてきました。
検討会の中では結論の出なかった課題ですが、最終的には与党会派から2000円への減額を内容とする改正条例が提案され、全会派一致で決定しました。
日本共産党は、引き続き廃止もしくは交通費相当の実費弁償への改善を求めています。
委員会へのパソコンの持ち込み
昔は考えられなかったことですが、今では筆記用具としてパソコンやタブレットが普及しています。
私は、北区議会でも、本会議場や委員会室にノートパソコンなどを持ち込めるよう、繰り返し求めてきました。
議会改革検討会での議論を経て、まずは予算・決算特別委員会に限定して持ち込みが可能となり、その後、全委員会にも拡大されました。
ノートパソコンだけでなく、タブレット型PC、スマートフォンもOKで、インターネットに接続して資料を閲覧することも可能になりました。
議会資料のデジタル配信
日本共産党が提案した議会資料のデジタル配信も、議会改革検討会の議論を経て実現しました。
配信されるのは、議案、委員会資料、請願・陳情など、ほぼすべての議会資料です。
例えば委員会資料は、紙ベースでは時として膨大なものになりますが、正副委員長の打ち合わせ終了後に北区議会のホームページにPDFファイルとしてアップされ、自由にダウンロードできるようになります。
iPadなどに保存して委員会に臨めば、重たい資料をバッグに入れて運ぶような手間もなくなります。
副議長車の廃止
北区では、議長とともに副議長にも専用車が用意されていましたが、経費削減の観点から廃止となりました。
区民目線で、ムダな経費と指摘されるものについては、議会自ら率先して見直そうと議論し、実現にこぎつけました。
クールビズを拡大
一見地味な改革ですが、夏場は本会議での背広、ネクタイの着用を緩和しようということです。
委員会ではすでにクールビズが定着していましたが、本会議場でも男性はノーネクタイ、ワイシャツで入室が可能となりました。
考えてみれば、夏でも背広、ネクタイを着用し、クーラーをガンガン効かせるというのは、まったくエコに逆行ですね。
議長2年制の導入
議長の任期を、1年交代から2年に延長しました。
議会を代表する議長は、議員の中でも特に責任が重い役職です。経験や議会としての継続性も重視して、1年制から2年制へと改革しました。
今後、副議長や委員会の委員長職についても、1年交代制の見直しの議論が進んでゆくものと思われます。
議会基本条例の制定にむけ勉強会を開催
さまざまな改革を進めてきた議会改革検討会ですが、最後に残った大きな宿題が議会基本条例です。
議会運営のルールを定める議会基本条例の制定は、二元代表制の下での議会の役割を明確にし、より住民に開かれた議会への改革にむけた大きな契機となるものです。
議会改革検討会では、これまでの議論で、自民党をのぞくすべての会派が制定のための特別委員会を設置することで一致しています。
また条例制定にむけて、識者を講師に招いての勉強会も始まりました。
来季の検討会では、ぜひ条例の制定を見通せるところまで議論を前進させたいと思います。