活動日誌

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加速する私たち

南青山にあるギャラリー「ときの忘れもの」で開かれている「井桁裕子展――加速する私たち」におじゃましました。

今回、作品を提供している井桁裕子さんは、実在の人物をモデルにした球体関節人形や陶土による人形の制作にとりくんでいる芸術作家ですが、その道での活躍は最近、facebookで知りました。

今日は、機を逸することなかれと、なんとか時間をつくって地下鉄で外苑前へ。歩き慣れない山手の大通りを左に折れ、静かな小径を入った先にギャラリーはありました。

中に入ると、目に飛び込んできたのが「加速する私たち」という等身大に近い女性と赤ちゃんの像。今回の展覧会でメインとなる作品です。

ものすごい勢いで流れていく世界に腕や足をもぎとられながら、正面を見据え、方向を誤らないようと進む女性。

ちぎれ飛んだ乳房をしっかり掴み取っているのは、後に続く赤ちゃん。目は覆われ、先は明瞭に見えないが、未来を象徴している存在です。

この作品から受け取るメッセージは人それぞれでしょうが、私は、3.11の大震災後、ますます混沌とし激しく変化してゆく社会の中で、それでも人としてあるべき道はなにかと模索し、羅針盤を持ち続けようとする作家の葛藤を受け止めました。

ちょうど同じ時間に「しんぶん赤旗」や雑誌「前衛」に美術評論を書いている武居利史さんも来場。顔なじみでもあり、やあやあということで、作者の井桁さんとともに記念撮影をさせていただきました。

実は私、井桁さんがその昔、「青年美術展」に絵画などの作品を出品していた時からの「隠れファン」でした。

今回、会場でも丁寧なごあいさつをいただき、作品の解説などもしていただきました。

今後とも、井桁さんのご活躍を心から期待しています。