活動日誌

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TPPは日本を滅ぼす

東京北法律事務所・九条の会からご案内を受け、TPPの学習会に参加しました。

鳥生忠佑弁護士のあいさつの後、日本科学者会議・日本農業市場学会会員の小倉正行さんが「TPPの本質と今後の動向」と題して講演をおこないました。以下、その要約です。

例外なき関税、非関税障壁の撤廃

TPPとは、もともとあったP4協定(ニュージーランド、チリ、シンガポール、ブルネイ)をグレードアップして9ヵ国(P4に加え、オーストラリア、アメリカ、ペルー、ベトナム、マレーシア)に広げようという交渉です。P4協定の2大原則は、例外なしの関税の撤廃と非関税障壁の撤廃です。どの国も、この原則から逃れることはできません。

自国の経済を守るための関税自主権をなくし、文化や宗教も含めた非関税障壁もとりはらってしまおうという協定の内容は、FTA(自由貿易協定)とはまったく異質のものです。

TPPの本質は米国多国籍企業の通商戦略

TPP推進の原動力となっているのは、GM、AT&T、インテル、IBM、ボーイング、ナイキ、コカ・コーラなど108社の企業と業界団体が参加する「TPPのための米国企業連合」です。

これらの多国籍企業は、日本に対して関税・非関税障壁の撤廃、米国生命保険資本の参入、日本郵政の完全民営化、府調達の開放、医薬品などの規制緩和などを露骨に求めています。

しかもTPPにはISDS条項(別名は「毒素条項」)といって、日本に投資した米国多国籍企業が不買運動などで不利益を受けた時に、日本政府に対して損害賠償を請求できる権利まで盛り込まれています。

TPPの本質はズバリ、アメリカの多国籍企業の通商戦略です。

TPPに参加したら日本はどうなるか

「日本の米の9割が輸入米に」「牛肉は生産量の75%が外国産に」「都府県酪農はほぼ消滅」「ポストハーベスト農薬が増加」「株式会社病院の参入などアメリカ型医療が横行」「混合診療は全面解禁」――もしTPPに参加するようなことになれば、農業はもとより、あらゆる分野で日本の社会が壊されます。

まさにTPPは日本の国を滅ぼします。

TPP参加に反対する国民的運動を

TPP交渉参加は、必ずしもアメリカや日本の財界が望むようには進んでいません。その本質が明らかになるにつれ、全国農協中央会や日本医師会などの団体も反対を表明するようになってきました。

TPPは条約であり、効力を持つためには国会の承認が必要です。TPP参加に反対する国民的共同を大きく広げ、総選挙でも推進勢力に審判を下して批准を阻止しましょう。

とてもわかりやすいお話でした

講演終了後、何人かの参加者から質問が出され、小倉さんがていねいにお答えになりました。

これまでもTPPについて聞いたことがありましたが、今回は一番わかりやすいお話でした。「TPPは国を滅ぼす」「これでわかるTPP問題一問一答」という2冊の本も買い求めました。これからしっかり勉強しようと思います。

TPPの危険な本質を一人でも多くの国民に知らせ、何としても参加を阻止させたいと決意を新たにしました。