活動日誌

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薬害イレッサ訴訟について学ぶ

薬害イレッサ訴訟――耳にしたことがあるでしょうか?

本日、民青同盟の北区医療生協班が、イレッサ訴訟について勉強をするということで、学習会に参加してきました。

講師は、城北法律事務所の弁護士で、薬害イレッサ東日本訴訟原告弁護団の阿部哲二事務局長。

副作用で800人超が死亡

「イレッサ」とは、イギリスのアストラゼネカ社が製造した肺がん用抗がん剤の名前です。2002年7月、日本では申請からわずか5ヵ月余という異例のスピードで承認され、世界で初めて投与がおこなわれました。

がん細胞のみをねらい打つ「分子標準薬」として、「夢のような新薬」とよばれたイレッサ。ところが2011年9月までに、この薬の副作用で引き起こされた間質性肺炎によって、実に843人の方が亡くなってしまったのです。このうち02~04年の死亡者が557人にのぼるなど、初期に被害が集中しています。

1審での原告勝訴と2審での逆転判決

04年、イレッサによる被害を受けた患者とその遺族が、国と企業を相手どり、東京と大阪で訴訟を起こしました。

2011年の2月(大阪地裁)、3月(東京地裁)の判決では、企業に致死的な間質性肺炎を引き起こす警告が不十分だったことによる製造物責任法上の責任が、国には企業への行政指導を怠った責任が認められ、原告勝訴となりました。

しかし、国と企業は和解協議を拒否、11年11月の控訴審では、東京高裁が国と企業の責任を否定する判決を出してしまいました(原告側はただちに最高裁に上告)。大阪の高裁判決は、この5月25日に迫っています。

問われているのは、がん患者の命の重さ

イレッサの副作用から奇跡的に回復した原告の清水英喜さんは、「私が提訴に踏み切ったのは、1本の報道番組でした。その中でアストラゼネカ社は『がんで死んだのか、副作用で死んだのかわからないじゃないですか』と言っていました。毎日を必死で闘いながら生きているがん患者をこれほどバカにした言葉はありません」と怒りをあらわにしています。

800人もの命を奪った薬害について、その責任をかたくなに認めないばかりか、人の命をも軽んじる国と企業のあり方に、背筋の寒い思いがしました。

裁判のたたかいは、まだ長い時間を要しますが、当面、大阪の高裁では、はっきりと国と企業の責任を認める判決を出してもらいたいと願っています。