活動日誌

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介護保険料が年平均1万5000円の値上げ

今年4月から3年間の北区第5期介護保険事業計画を決める、第3回介護保険運営協議会が開かれ、委員の1人として出席しました。

この間、区民むけに開かれた公聴会での意見をふまえ、区側から第5期計画の最終案がしめされ、冒頭に介護保険課長から報告がありました。これに対し、私は3つの点で発言しました。

保険料の値上げには反対

第1は、保険料の大幅な値上げについてです。

計画案では、現行の基準月額3469円を4728円へ1259円、年額にして約1万5000円引き上げる保険料の改定がしめされました。サービス総額から算出された保険料は5152円となりますが、区の介護給付費準備基金残高(見込)14億4000万円のうち10億円を取り崩して346円を引き下げ、東京都の財政安定化基金の取り崩し(北区分は2億3000万円)の投入でさらに78円引き下げた結果、4728円になるというのが根拠です。

私は、国保料や後期高齢者医療保険料の値上げとあわせ、高齢者にとってはトリプルパンチの負担増となり、払う意思があっても払えなくなるような保険料の引き上げは認められないと主張しました。

介護保険制度の導入によって、サービスを良くしたければ保険料は上がり、保険料を下げたければサービスが悪くなるというしくみが強要されてきました。国が公費支出を減らしてきたことに根本原因があります。私は、制度そのものの欠陥を指摘しながら、国や東京都への支援で保険料を引き上げを抑えることを求めました。

人材確保と育成は給与の抜本的引き上げで

第2に、福祉人材の確保と育成の問題です。

いま、どこの介護施設でも深刻な人材不足に悩まされています。昨年、私が訪れた特別養護老人ホームでも、3年前まで勤めていた施設長が「半分以上職員が入れ替わっている」と驚いていたことも紹介しながら、介護職員の待遇改善は急務だと指摘しました。

北区では、福祉人材の確保と育成のために、「福祉のしごと総合フェア」の開催などに努力していますが、やはり職員の給与引き上げ、しかもそれが介護保険料の引き上げに連動しないようなやり方で実現する手立てが必要です。このことを強く訴えました。

宿泊デイサービスの実態把握を

第3に、昨年末にも火災事故が起きた宿泊デイサービス施設の問題です。

特養ホームの入所待ちが900人以上に及ぶなど、介護が必要な高齢者の入所施設が圧倒的に足りない中、デイサービス事業者が介護保険外で宿泊サービスをおこなう実態が明らかになっています。私たちが以前に調査した施設では、普通の一軒家に10数人もの高齢者をつめこみ、たった1人の職員しか宿直がいないなどの劣悪な状況もありました。

年末の火災事故では、幸い被災者は出なかったものの、まかりまちがえば大惨事となるところでした。

私は、特養などの整備を計画的にすすめるとともに、宿泊デイ施設の実態調査と指導・点検の強化を求めました。

事業計画案にきびしい意見も

その他の委員からも、事業計画案にきびしい意見が出されました。

ある委員は、「ヘルパーの生活援助の時間単位が60分から45分になるというが、時給計算もできなくなる。多くのヘルパーがやめていくのではないか。それでなくても登録ヘルパーは募集をかけてもまったく来ない状況なのに」と発言。また別の委員は、「今後24時間の訪問介護看護などのサービスを検討するとされているが、現在こうした事業をおこなっている在宅療養支援診療所や訪問看護ステーションでは圧倒的に医師や看護師が足りない。こうした実態をどう考えているのか」とのべました。

事業計画案に続いて、このぼどまとめられた「長生きするなら北区が一番」専門研究会の内容についての報告がありました。これについても、委員から意見が続出しました。

「北区は高齢化No.1。桐ヶ丘などでは住民の半分以上が高齢者。『長生き』を強調するのもよいが、『安心して死ねる(看取れる)区』にしてほしい」「東京都は圧倒的に独居率が高い都市だが、その中でも北区は独居の人が多い。いわば全国一の独居率だ。もうお尻に火がついた状態なので、国の先を行く施策をダイナミックに展開しないと間に合わない」「全体として抽象的な内容だ。もっと具体的に、いつまでに何をやるのかを計画に書き込まないと、絵に描いた餅にならないか」などなど。

議論を通じて、サービスを受ける高齢者やその家族も大変ですが、サービスを提供する事業者は、もっと深刻な危機感を抱いていることがよくわかりました。

地域包括支援センターは「高齢者あんしんセンター」に

会議では、来年度から地域包括支援センターの名称を、「高齢者あんしんセンター」と改名することが報告されました。高齢者にとってはもっとも身近であるはずの施設が、まだまだ認知されていないということで、区民への募集から生まれた名称です。新しいロゴマークも紹介されました。